発達障害を
ユニーク=
ヒューマニティ症候群と
呼んでみませんか?
突飛な提唱ですが、最後までお読みいただければ幸いです。
大人の発達障害を診断していくために有用と思われる「5つの視点(症状)」を指摘したいと思います。
これまでにも大人の発達障害とその関連した事柄、症状を述べてきましたが、改めて、最重要と思われる点と、スクリーニング法の提案、さらに大人の発達障害でよく見られると思われる周辺症状を、3ページに分けてまとめました。
発達障害において一般的に用いられている従来の診断基準は、診断を受ける人々の気持ちへの配慮に不十分な面があると感じています(質問を受けるだけでも自信喪失を助長する可能性など)。
また、現時点で診断や治療の必要が無い人まで該当してしまうこともあり、差別的な印象を助長させている面があるとも思っています(例えば、忘れ物が多くても日常生活で困っていない人もいます)。
逆に、本来は診断や治療があったほうが日常生活の質を向上できるのに、現在の診断基準では、一見すると症状を十分に満たさないと思われ、診断や治療を受けられにくい発達障害の人々が多くいる可能性にも気が付きました。
これらを考え、従来の診断基準を必要十分満たしながらも、切実に日常生活に困難さを持っている人々をより正確に見極めることが出来ないかを検討しました。あくまで私案です。その点はご留意願います。また、この基本症状はASDとADHDをあえて区別せず、発達障害全体に見られる基本症状として考えてあります。ASDとADHDは合併も多いことが分かってきています。それも踏まえれば最初からそれらを鑑別するより、まず、大きな概念として発達障害の診断に入る可能性があるか、それを見極めることは、診断や治療のために有意義なことだと思っています。
(なかなか自信が持てず、どうしても自分を低く評価してしまう)
(感情的になってしまう人はそれを抑えたいと悩んでいる人が多い)
(衝動的な行動など、様々な理由から自信が低下していると思います)
(しかし自己肯定して欲しい気持ちを心に持っていると考えます)
(社会性が保持されている点で統合失調症との鑑別に大切と考えます)
(自己啓発系セミナーなどに安易に参加しない注意が必要です)
※(自尊心尺度、自己肯定感尺度)
(感受性が豊かで、細かなことに気が付き、気配りが出来る、したい)
(優し過ぎて自分のせいで悪い事が起こると必要以上に自分を責めます)
(神経質すぎると思われたり、自分でもそう思っているかもしれません)
(「敏感」過ぎる故、自己防衛から感情を押さえ込んでいる人もいます)
(音にとても敏感だったり、臭いや味に敏感な人もいると思います)
(時と場合によっては、逆にとても「鈍い」面が目立つ場合もあります)
(環境の変化にとても敏感だと思われます)
※(感受性尺度)
(頑固な性格や融通が効きにくい傾向があると思います)
(極端な「人見知り」をする傾向も特徴の一つと思います)
(環境の変化に極端な苦手意識を持っている人もいると思います)
(素直さと頑固さの二面性を持ち合わせている場合が多いと思います)
(「根拠のない自信」と「極端な自信の無さ」の二面性を含みます)
(「受容と拒絶(否認)」を繰り返す傾向があると思います)
(自分が知らないことに対し非常に不安を感じやすいと思います)
(自覚がある場合と自覚がない場合の両方あると思われます)
何かで失敗をした時にそれを引きずりやすい
(回復にかなり時間がかかる傾向があると思います)
(失敗を極度に怖がるようになっている場合があると思います)
※(柔軟性尺度)
(一日の中でオンとオフの時間が明確に分かれる人がいると思います)
(スイッチが切れる場合、本当に何も出来なくなってしまうと思います)
(しかし何かのきっかけで再びスイッチが入ることもあると思います)
(集中の途絶でなく、何かに過剰集中してしまう人もいると思います)
(機嫌の良し悪しが周囲に分かるほど分かれている人もいると思います)
何かに集中した後にとても疲れが出る
(かなりの消耗で、長いと回復に数時間〜数日かかる事もあるようです)
(人に気を遣うと非常に疲れる傾向があると思います)
※(集中力尺度)
(長年の悩みであり誰にも相談出来なかった場合も多いと思います)
(幼少期からの場合や大人になってからの場合など様々だと思います)
(自覚がなくても、対人関係のトラブルがある場合があります)
(年を重ねるに従い交流関係を慎重に選ぶようになっていると思います)
※(コミュニケーション尺度)
①〜⑤の5項目のうち3〜4項目以上満たす場合、一度、受診を考えてもいいと思われます。日常的な辛さを持っている場合が多いと推測されます。次ページ以降の周辺症状も参考にして頂ければと思います。日常的にどのようなことに悩んでいるのか、自分がどのような特性を持っているのか等がより分かってくると思われます。大人の発達障害の診療と治療は、何よりも正確な診断と正しい自分への理解から始まると思っています。
(2014.11.20 公開 2015.9.9 更新)
従来の「発達障害」の診断基準は、差別や偏見を生じさせている可能性があります。例えば「空気が読めない」「場違いな発言をする」「奇妙な考えを持つ」などという項目も診断基準(ASDにおいて)に含まれますが、それらは職場等の大人社会での 「いじめ」 にもつながりかねません。それは、従来の診断基準が真に「発達障害」を見極める診断基準になっていないからだと思っています。
うつ病では「眠れない」「食欲が無い」「意欲が湧かない」などの症状があり、それがそのまま診断基準にもなり得ますが、これらの症状が差別や いじめにつながるでしょうか。おそらくつながらないと思います。辛さを抱えている人の切実な思いが本当の症状であり診断基準なのだと思います。だから差別にはならないのだと思います。
従来の「発達障害」の診断基準は発達障害の人の一番困っている部分に言及できていない 「枝葉」 なのだと思います。だから、差別や偏見を生むのだと思っています。
このページの「診断のための基本5症状」を見て下さい。これらは「発達障害」の人々における辛さや生活上の支障の一番の根源的な部分なのだと思います。これらの項目が差別や偏見につながる可能性はあるでしょうか? おそらく少ないと思います。むしろ、より理解の補助になるだと思っています。
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