発達障害を
ユニーク=
ヒューマニティ症候群と
呼んでみませんか?
突飛な提唱ですが、最後までお読みいただければ幸いです。
私は「発達障害」というネーミング自体が好ましくなかったのだと思っています。この言葉ゆえに負の印象が助長され、それによって多くの人が差別感や偏見に苦しんだのだと思っています。そして今でも誰にも相談できずに日常の辛さを抱えて生活している人も多いのだと思っています。
しかし、発達障害という言葉が多く使われている現在、この言葉を使わずに発達障害を説明をすることは困難でもあります。このサイトでは、必要に応じあえて「発達障害」という言葉も用いながら説明をしていこうと思います。しかしながら、本来は人が普遍的に持っている「発達的特徴」なのだと思っています。
大人の発達障害というものは「成人期以降に初めて診断された発達障害」と考えてもらえればいいと思います(小児期に診断をされずに大人になり初めて診断を受けた、または、大人になり環境要因などから診断レベルにまで顕在化した、その両方があると思います。大人になってから発症する場合があるという論文が最近の研究で出ましたが、もともと特性は持っていたのだと思います)。発達障害自体の概念や診断基準などは、小児も成人も基本的には共通です(大きな違いは、大人は症状をより正確に言語化できます)。
小児期には特に問題なく過ごして成人したか、それなりに症状はあったものの自分なりに乗り越えていたり、しかし大人になってからその症状ゆえに治療介入が必要になった状態と言えます。
その大人の発達障害と呼ばれるものは、大きく分けて主に三つあります。
一つは注意欠如多動症(ADHD)
もう一つは自閉スペクトラム症(ASD)
三つ目が限局性学習症(LD)です。
厳密な統計は定まっていませんが、全人口の数%以上にその傾向がみられると思われます。
治療場面での印象ではADHDが2−4割、ASDが一番多く5−6割以上、LDは1割程度と思われます。そして、合併例が多いのも特徴です。
ADHDとASDの合併は非常に多いと感じます。また純粋なADHDの人は実際には診療場面では1−2割程度ではないかと感じています。全体からみると、圧倒的にASDが多い、それが実際の臨床だと思います。
(2016.2.28 公開 2018.9.2 更新)
大人の発達障害は一見複雑に見えるものの、実はいくつかのシンプルな「本質」があるのではないかと思っています(シンプルとは言っても決して一つではないのですが、例えば診断に関しては「5つ」の重要なポイントがあると思っています。また治療に関しては、大きくまとめると「4つ」の治療介入視点があると思っています。他にも治療や診断等に関し、よくよく観察すると、いくつかのポイントがあるのだと思います)。
発達障害に関連した診療を重ねれば重ねるほど、よりASDが多いことや、より純粋なADHDが少ないこと、そして、発達障害だけでは大人の発達障害に関連した諸症状を説明できないと感じるようになっています。
具体的には、大人の発達障害では、密接に関係している「トラウマ体験」や「PTSD症状」を考えることも、より臨床症状の理解を深めるために必要だと常々感じています。「愛着障害」の視点も重要だと思っています。
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