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発達障害を
ユニーク=
ヒューマニティ症候群

呼んでみませんか?

突飛な提唱ですが、最後までお読みいただければ幸いです。

経過や予後の予測など

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長期予後については不明な点が多いのも事実です。少なくとも、少し前までは、大人に発達障害はない、とさえ言われていました。その常識が変化しつつある現在、今後の予測は難しいと考えるのが適切だと思います


実際の治療では、診断前に比べて自覚症状が良くなる場合が多いと感じています(治療者としても前向きに診療が出来る大きな理由の一つです)。


個人的には、衝動(特に感情衝動)は20-30代までがピークだと思います(多動衝動は成人前、多くは学童期にピークを迎えると思われます)。その後は穏やかになっていくように感じます。それまでに自分に適した仕事に就いていれば幸いですが、終身雇用制度が崩れている現代社会では、非正規雇用を余儀なくされているようにも感じています。


注意欠陥は中高年以降にも残るのではないかと推測しています。この点は後述もしますが、認知症とは異なる注意欠陥が高齢まで残る可能性はあると思っています。日常社会生活では「詐欺(オレオレ詐欺、投資詐欺など)」や「代替医療(疑似医療、疑似信仰)」の被害に遭わない注意は必要と感じています。


ただし、中高年に限らず、注意不安や判断不安のある人は20代の頃から何らかの被害(エステや美容での多額ローンなど)に遭っていることも多いと思われます。中高年ではまとまったお金を持っていることがあり、被害額が大きくなる傾向があるため注目をされるのだと思われます。


これらのことを考えれば、発達障害が小児に限定した概念であった事を根本から見直すべきと思っています。


原因や治療に関して、今後ホルモン的知見からの報告が増える様に思います。オキシトシンという信頼形成にも関わるホルモンが自閉症に対しての効果があるとの報告もみられます。


オキシトシンは女性に関するホルモンの一つでもあり、子宮収縮や乳汁分泌にも関わっています。身体接触などで放出されるとも言われています。他、幸せホルモンと言われる種々のホルモンで症状が改善する可能性もあると思われます(安心と信頼があることで症状の改善がみられることは多いと思われます)。逆に、ストレスに対するホルモン的な脆弱性の観点からの知見も出てくるように思います。


女性では妊娠や出産を契機に穏やかになる人もいます(精神科の外来での経験ですが)。これはオキシトシンを含めた何らかの女性に関するホルモン等との関連と推測します。他の視床下部下垂体系のホルモンと発達障害の症状の関連に付いて将来何らかの指摘がされるかもしれません。体温調節や血圧との関わりなどから副腎皮質ホルモン等との関連性についても、今後新しい知見の報告があるかもしれません。


オキシトシンのみでなく何らかのホルモンが今後治療薬として有効な時代がくるかもしれません。少なくとも、安心と信頼があると症状が安定する傾向が認められると感じています。治療に関しては、今後の新しい知見に期待しています。



(2014.11.20 公開 2018.9.6 更新)

成人期には発達障害は残らない、もしくは大人には発達障害はないと思われていた時代があったことは、見方を変えれば、大人の発達障害は治る場合もあり得る、という可能性の示唆ではないかとも考えています。


発達障害ではストレスに弱い傾向があり、ストレスに対処するホルモン(いわゆるストレスホルモン)なども含めた何らかのホルモン分泌との関連があるのではないかと思っています。また、あがり症や緊張の衝動などからは、自律神経系との関連もあると思われます。


注目されている分野であり様々な研究がなされています。今後、新しい知見が出てくるのだと思います。

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