発達障害を
ユニーク=
ヒューマニティ症候群と
呼んでみませんか?
突飛な提唱ですが、最後までお読みいただければ幸いです。
インフルエンザの予防接種をしてもインフルエンザにはかかります。このことは意外に知らない人が多いようです。また「インフルエンザの予防接種をすると風邪もひかない」と思っている人も結構いますが、違います。誤解の多いインフルエンザの予防接種について少し書いてみたいと思います。
確からしい事は、「インフルエンザの予防接種をすると、発症した時に症状が軽く済むかもしれない」ということに要約されます。
確からしい、と書いたのは、これも確実に証明された訳ではないからです。このことがインフルエンザワクチンを接種するかしないかで議論になる理由の一つでもあります。(医師の中でも意見が分かれていますが、一応効果はあると考える医師の方が多いように思います)
また、数年前に新型インフルエンザが国内に入って来た時に興味深い報告がありました。それは、「新型インフルエンザに感染しても発症しない人が20%ほどいる」との調査報告でした。これは普通のインフルエンザでも同じでしょう。
私自身、研修医時代に冬のシーズンには数日に一回は当直に入り、インフルエンザの患者さんとは多く接しましたが、一度も発症したことがありません。ワクチンは毎年受けている訳ではありませんが、ワクチン接種を受けた年も受けなかった年も関係なく、実は一回もインフルエンザを発症した記憶がないのです(幼少期から)。私の体質というか家系はインフルエンザにはかかりにくい遺伝子を持っているのかもしれません。一方で、1シーズンでA型とB型のインフルエンザにそれぞれしっかりかかってしまう患者さんも多数います。
では、インフルエンザの予防接種を受けることに意味はないのか?
私は次の三つの場合で有効だと思っています。
① 小児でインフルエンザ脳炎にまで波及するケースを減らせる可能性(ただし防げないという報告も)
② 高齢者では重症化した時に死亡率を下げられる可能性(80%下げるとの報告もあります)
③ 新型インフルエンザのパンデミック時に致死率を低下させる可能性(抗体が効く可能性の希望)
なので、小児に対して予防接種をする時は①と③を考え、大人では主に②と③で意味があるのではないかと思っています。
診療でのこぼれ話を二つ。
「いやー、先生、今年もインフルエンザの予防接種したから、これで風邪も引かないし安心だ」
「インフルエンザにはかからないかもしれませんが、風邪は引くと思いますよ」
「いや、先生、俺はインフルエンザの予防接種は毎年欠かさないけど、それで風邪も引かないよ!」
「・・・」
「先生、インフルエンザの予防接種しておけばかからないから安心だよね」
「かかるのは防げないんですよ。かかっても軽く済むかもしれないですが」
「ふーん」
「皆さん誤解している人が多いみたいです」
「けど打っとけば安心だよね。打っとくとね、なんか調子いいのよ、毎年」
「・・・」
なかなか、皆さんの思い込みを解くには時間がかかります。
(2014.12.25 公開 2015.12.17 更新)
ワクチンなどを「毒」といった発想で敬遠する人も世の中にいると思います。
たしかに、ワクチンを含め医薬品全般に言えますが、100%安全なものはあり得ません。
だからといって「毒」という発想で、必要以上に敬遠することは、あまり大人の判断や考えではないように思います。
一つ一つのワクチンにしろ薬品にしろ、過去の有益性、現在の有益性、役割、効果、副作用、適応、被害、安全性、すべてを冷静に考えて、個々に判断すべきだと思います。
冷静に、思慮深く、適切な判断を一つ一つ行うのが、大人の判断だと思っています。
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