発達障害を
ユニーク=
ヒューマニティ症候群と
呼んでみませんか?
突飛な提唱ですが、最後までお読みいただければ幸いです。
「こだわり」は、実は安心を生むルールです。
このことは、多くの人に是非知って欲しいことの一つです。
こだわりが満たされることで、気持ちに安心が生まれ、心が落ち着きます。
気持ちが満たされ続け、安心をいつも感じられると、そこに信頼が生まれます。
「こだわり」は発達障害の子どもや自閉スペクトラム症の子どもでよくみられる「症状」とされています。「こだわりがあって、何をするにも時間がかかって大変」「こだわりから次の行動に移れなくて集団から外れてしまう」「こだわりを途中でやめさせると、泣いて叫んで手がつけられなくなってしまう」
教育の現場や日常生活の様々な場面で「こだわり」は悪者扱いです。
しかし、本人には切実な問題のはずです。
何故こだわるのか?
本当は、
「安心を生むルール」
なのだと、多くの人に知って欲しいと思います。
実は、大人だって結構こだわってますよ。
ブランドにこだわったり、身だしなみにこだわったり、髪型にこだわったり。住む場所にこだわったり、学校にこだわったり、会社にこだわったり、挙げたらきりがないくらいです。服装や髪型がぴしっと決まれば、それだけで幸せな気分にもなれます。志望校や志望会社に受かれば、なぜかそれだけで胸を張って幸せになれます。
如何ですか? 意外に気がついていないと思います。
安心のルールという観点から更に進めて、ちょっと違ったルールの話もしてみます。
ゴッホかゴーギャンだったと思います。昔読んだ本に「朝は決まった時間に起き、同じ時間に食事をし、同じ時間に散歩をし、同じ時間に寝る」という、高名な画家の創作の裏にある「判で押した様な日常」の話が書いてありました。創作の情熱をカンバスに向ける時以外、あとは決まったルールに乗り、心を穏やかにさせていたのだと思います。自分の思索のなかに、一片の邪魔も入れたくなかったのかもしれません。
このルールは、実は誰にでも応用、利用できるルールです。
忘れ物が多い人は、自分の生活のパターンを作るといいと思います。起きる時間から出勤までの流れ。持ち物の配置。仕事場に行ってから仕事を始めるまでの準備の流れ。仕事でも、何かしらの自分なりのルールと流れを作る。そういうことで、余計なことへの注意が減って、より大切なことへ気持ちを集中できると思います。
むしろ、良い仕事をする人は、日常をルール化している気もします。
その平凡な日常から、何かを発見するのかもしれません。
ビタミンCを発見したノーベル賞学者は、
「発見とは、皆が見ているものから、皆が思いつかないものを見つけ出すことだ」
という意味の言葉を残しています。
おそらく、日常の観察力・洞察力が優れていたのだと思います。
一日でのルール
一週間でのルール
季節でのルール
一年でのルール
意外に、人は季節ごとの行事など、節目節目にルールを作り、区切りとして安心を得ているのかもしれません。
繰り返しますが「こだわりは安心のルール」です。
むしろ、こだわりをあえて作ってみるといいと思います。
一つの注意点としては、常識と良識と羞恥心の観点から、衆目に耐えるような問題のないルールにしてください。大人の場合、周囲に「変」だと思われる様なこだわりやルールは、やっぱり「変」だと思います。精神科医がこういうことを言うのは不謹慎なことかもしれませんが、変だと思ったら、一度考えてみて下さい。
自分が「変」だと思う自覚があれば、その原因を明確にし、より良くしていくことはできると思います。「自分は変だから」と弱気にならずに、勇気をもって相談してみてもいいと思います。多くの場合、自分の社会への不安や日常での心細さは軽減できるものだと思います。そして、より自分らしく、より素直に自分を好きになれるかもしれません。そのほうが、本当は幸せなことなのだと思います。
(2015.3.15 公開 2015.7.12 更新)
子どもの教育の話題で少しだけ。
子どもに親の教育方針等を押し付ける(?)場面はよくみられます。
それは親の「こだわり」でもあると思います。
親は安心かもしれませんが、本当にそれが子どものためか。
子どもの心が置き去りにされていないか。
もし余裕があれば、少し子どもの気持ちを考えてあげてください。
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