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発達障害を
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呼んでみませんか?

突飛な提唱ですが、最後までお読みいただければ幸いです。

Blog【 特殊詐欺の対策 】

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オレオレ詐欺などが「特殊詐欺」と呼ばれるようになり、全国でも被害を防ぐための啓蒙活動も盛んに行われています。このことに関してあくまで個人的な意見ですが、間違っているであろうことを2点指摘し、さらに自分が思う「対策法」を一つ述べてみたいと思います。



まず初めに指摘したい点は「高齢者や認知症」の方の被害が多いと言われている点です。たしかに多いとは思いますが、その方々が全てではないように思います。つまり実像を正確には表していないと思います。私は半分は「若者や中年層」だと思っています。これは水面下での被害も想定してです。これが1点目です。


たしかに、高齢になると判断力は低下します。認知症があればなおさらです。しかし、です。「認知症の方がATMの操作を正確にできるでしょうか?」。詐欺では郵送などの新しいお金の回収法も出てきていますが、初期の振り込め詐欺では被害者の多くは自発的にATMを操作して振り込みをしていました。


2点目は、詐欺被害の視点にADHDやADDの視点が抜けている点です。


各地の消費生活センターでは、特殊詐欺対策の講演会などを心理学の専門家などを呼んで開催することもみられます。これは、すでに「高齢の認知症」の人を対象にはしていません。講演を聞きに来て理解できる人を対象にしています。よくある内容は「人は騙されやすいから、よく注意しましょう」という内容です。多少心理学的な内容もあれば、なるほど、と納得もするかもしれません。一般の人でも、急に言われたり急がされたり、相手が自信たっぷりに話しをしたり、ローカルな具体的なことを知っているとつい信じて騙されてしまったり、せかされたりすると動揺します。この点は心理学で説明できると思います。


しかし、どの講演でも、ADHDもしくはADDの傾向がある場合、分かっていても騙されてしまう場合もあり得る、という内容は聞いたことがありません。これが、私が指摘したい2点目です。



詐欺被害者の方のおよそ9割は「特殊詐欺の存在を知っている」と答え、8割の人は「自分は騙されないから大丈夫」と思っていたと言います。それだけの認識力を持った人が騙される実態に「人は騙されやすいから注意しましょう」では、なんだか違う気がします。


なぜ騙されやすいか、そこに自分で精一杯頑張って考えても「注意力や判断力が低下してしまう状態がある」という「医学的」な認識をしていかなければ、本当に効果的な対策にはならないと思っています。


ただし、現在の社会では、ADHDやADDと診断されることはデメリットばかりです。大人の発達障害と診断されることは、差別や偏見の対象にもなってしまいます。それもあり、もしかしたら詐欺被害の原因に「注意力低下」があるかもしれないと感じていても、表立ってそれを語れない社会なのかもしれません。


それならば、ADHDやADDと診断された場合のメリットを作ってみませんか?


例えばです、クーリングオフという制度は、マルチ商法などが流行った時に消費者保護の観点からできた法律だと思いますが、そういった消費者保護の観点を発展させて、ADHDやADDの診断を受けている人では「クーリングオフ期間の延長や対象品目の拡大ができる」などの法整備をすることは可能ではないかと思います。

人口の数%に発達的な特性をもった人がいる可能性が指摘される時代になっています。そして、法律は本来は人々を保護するためのもののはずです。そして、医療も、診断や治療によって患者さんを守り良くしていくことが本来の役割のはずです。


年々高度化する詐欺手法に対し、法的整備も含め、社会が消費者を守る姿勢も進化させていかなければならないと思います。クーリングオフ制度の拡充では実際の振り込め詐欺に直接効果はありませんが、詐欺被害のより本質的な実態把握や、法的にもできる消費者保護意識の拡大につながれば、より詐欺や詐欺的商法を減らしていけるのではないかと思っています。


私の思いつきですが、如何なものでしょうか?



(2016.3.6 公開)

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