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突飛な提唱ですが、最後までお読みいただければ幸いです。

Blog【 猫のかつらセット 】

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うちの4歳の末っ子の話です。


ある朝、幼稚園に行く前に「今日は猫のかつらセットで遊ぶんだよ」と満面の笑みで話をしてくれました。相当楽しみにしている様子で、何度も「猫のかつらセット」「猫のかつらセット」と連呼していまいた。


猫のかつらセット?


最近はそういう物があるのか、たまたま遊び道具でそういったものがあるのか、私は頭の中でぐるぐるといろいろ考えましたが、どうしても「猫のかつら」というものが想像が難しく、しかも「セット」になっていることが、いかに考えを巡らせても「???」でした。


娘に「猫のかつらセット」はどう使うのか聞いてみました。そうしたら「こうやって左のお手てに乗せて、先生のピアノに合わせて右のお手てで上から叩くんだよ」。と言いました。なんとなーく想像がついてきたので、「うちにもあるの?」と聞いたら、「猫のじゃないけどあるよ」といって「カスタネット」を出してきました。


猫のカスタネット


言葉の言い間違いが可愛い年頃でもあります。いい線いっているのですが、ちょっとずれた面白みがあります。しかし、これは子供だからです。



もし、似たようなことが大人であったら、本人は恥ずかしいと思うでしょう。実際、そういった覚え違いはどんな人にもあることです。しかし、それが多いと、それは悩みにもなってしまいます。



実際、ADHDの傾向のある人は、細かなところまで注意ができない場合が多いことからか「猫のかつらセット」のような若干の言葉の覚え違いを度々してしまい、それが悩みにもなっています。それがあって会話に苦手感を持っている人も少なくないと思います。


ASDの傾向の人も同じようなことがありますが、この場合は思い込みが強くて、自分が知っている言葉に関連して思い込んでいる場合が多いと思われます。そして、自分が正しいと思っていた言葉などを誰かに話をしたら笑われてしまったりして、それから引っ込み思案になってしまっている人も、また少なくありません。


多少の間違いは人ならあるものです。むしろ、何かすれば必ず間違いも勘違いも生じます。しかし、それで自信がなくなってしまうならば、それは生きていく上での損失なのだと思います。その辛い気持ちを理解していく視点が、今の精神医療には「欠如」しているように思います。むしろ精神医療自体が「注意欠如症」になっているのかもしれません。


私は、大人の発達障害に関する治療は「失ってしまった自信を回復すること」が一番大切なことと考えています。

精神科の医療は客観的な症状をより重視するようになってしまっています。しかし、患者さんの「心」が置き去りにされない医療が、本当は大切なのだと思っています。



(2016.3.8 公開)

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